故郷で迎えた今日という日
9年前の今日、自分と母はふたりで今いる生まれ故郷に移り住みました。沢山の段ボールを引っ越し業者さんから受取り、自分たちが住む実家の一軒家の部屋に振り分けていきました。新しい日々がここから始まる、始めたい。そういう思いで、長く住んだ関東の住処から引っ越したのです。
9年間、いいことばかりではなかったですが、悪いことばかりではなかったです。いやむしろ、今振り返ると無事に今日という日を迎えてほっとしています。9年という月日は、節目という年でもないのですが、やっと今日に辿り着いたのです。
今日は、いつものように自転車でスーパーに買い出しに行ってきました。空模様は、曇りがちでこの時間はもう外も薄暗いです。昨年、購入した一生聴けるという売り文句で売っていたクリスマスソングのカセットテープを聴きながらこれを書いています。
今は、色々あるけれど幸せと言えるんじゃないかなと思います。9年前、閉塞感を打ち砕きたい一心で地方への移住に希望を見出したのは、間違いではなかったのではないでしょうか。場所を変えてみる。それを考えたその時に真っ先に浮かんだのが、幼い頃に家族で帰省した祖父と祖母の住んでいた親の実家のある地方でした。自分たち家族、両親と兄と自分の四人が、帰省の間に寝泊まりした部屋は今も残っています。共稼ぎだった両親が、自分たち兄弟と四人で過ごす夏休みのここでの時間は貴重でした。家族四人で川の字で寝ていた幸せの象徴とも言えるその部屋が、今の自分の寝室です。そして今はもういない祖父と祖母の寝室が、今これを書いている自分の部屋なのです。
自分たち家族の故郷、祖父と祖母の故郷。自分たちは、きっと守られているに違いないとそう確信しています。今日は、そんな故郷で丸9年を迎えました。
2024-11-16 by
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